京都の会だより

2019年5月号
5月1日更新(5月8日追記)



「京都の会 演武祭」 開催!
5月26日(日)午後2時~

道枢葆光庵(北大路道場)にて
(京都市北区小山東元町1:地下鉄烏丸線北大路駅から徒歩8分)
道枢葆光庵の地図は、当ホームページの「各練功会案内」でご確認下さい

令和元年、年号が変わって最初の演武祭です

 
昨年の演武祭より。昨年よりもレベルアップしましょう




★凛道西京極練功会、活動再開します

 ここ2~3年、代表・小嶋参段の都合により活動休止状態だった西京極練功会ですが、
今月より活動再開となりました!
練功日は「毎週金曜日の夜」。
興味のある方は当ホームページの練功会案内をご覧下さい。



<コラム>木下代師範のつれづれ日誌

今回は日頃、やはり練功していて大事だなと改めて思ったことがありました。
凛道空手で、形の三戦・転掌は身体を整えるだとか、生気を高めるという方法という見方があります。
私の場合、身体がすっきりしない、風邪気味などのような時に、心を沈めて転掌を何度もしばらくしていると、
身体の内側から、元気の気が高まっていくような感じが起きてきて、
いつもの元気さが蘇ったことがあって以来、転掌は特に好きな型になりました。

日常動作含むどのような動きも、鳩尾は力まずに柔らかく、下腹部の丹田は充実しているのが理想的なようですが、それはともかく、無理のないゆったりとした呼吸と共に動作する訓練、
どうしても時間が取れず出来ない時は、イメージトレーニングをしてみたりと、工夫しながら自己と向き合う。
気を練ることで、結果的に気の通り道も太くなる、腰もしかっりしていき、肚が座ってくるというか、生命力・感も冴えてくるというか、、、。
また、意志力・決断力も徐々増してくるなどの可能性もあるようです。

ただ、それを目的にすると、ズレていきそうでもあるため、
楽しみながら淡々と取り組むという感じで取り組んでいる、というところです。




★連載企画第十四回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」

 京都の会の重鎮であり、他派との積極的な交流など多方面で活躍されておられる入江師範の連載コラム。
内容はお任せです。


前回に続いて「肘」の話しをさせていただきたい。

肘が観える、とは肘が観えないことがわかることだと思われる。実にややこしい話だ。
武術でよく言われる[虚実]にしても練習の大半の過程は「虚霊」に充てられる。
一般的には「実」の鍛錬には実感、力感などの感覚が強く表れるのでそちらの方にひかれやすいが、
ここで感じる力は佐川師範の言われる「拙力」であり透明ではない。
ひたすら「虚」でいることによって見えてくる力こそ「勁」であるが、これは「無中生有」といわれるように「無」において発生する。
つまり、無いところに発生する。この「虚」の練習は、意念(イメージ)ではなく、まずは「任物」、
つまり自然事物の発生消長に任せ、「こころ」をできる限りシンプルにすることだと先師は教えられている。
この「こころ」の憶えるところが「意」であり、「意」が発動すると方向や対象が発生する、
しかしその注意の向け方は「意は霊犀の如し」と言われるように強い集中のことではない。
霊犀とは長く生きて霊力を備えるようになった犀のことで、角から眼に見えない糸を四方八方に張り巡らせて、外界を鋭意に感じ取る能力を備えている。
じっと息をひそめ、万物のわずかな変化も感じ取るように集注しなければならない。
いつ果てるともしれない修練の果てに「無」がわかれば「力は骨に宿る」と言われることが納得できる。骨も実感のないところである。
動き、運動の訓練にばかり心が惑わされると一生かけても「無」は見えず、凛学に説かれている通り「一場空」に終わる。
3月のレポートで取り上げた「肘が」わかる」とは「肘は見えないところ」とわかることが第一歩だと思われる。

改めて、「凛学」の最初のページを開いてみよう、
曰く:我々の生は天の陽気(魂)と地の陰の気(魄)の生命エネルギーの結合によって生じ、
魂は精神を、魄は身体を形成し、さらに採気し続ける陰陽の混元の気が心身の消長、活動を生ずる。
 凛道は魂魄善用の道であり、まさに生死を越える二乗世界の修業でなければならない。

(日野晃君の古希ドラムコンサートは大成功であったらしい。
連動の達人と呼ばれる日野君の「しなり」はスティックでドラムを断ち切る!次回はそのテーマを考察してみたい。)


 次回(2019年7月号)に続く



●凛道実技紹介<第18回> 

今回から「日常功」を紹介します。
これは練功の始めと終わりに行ないますが、毎日の日課として行なうことで健康が得られるでしょう。
日常功は次のような内容になっています。

定功に「応掌 晴頭 練支 擦火掌 養干 周山」
立禅に「方 円 站樁 壬天 操丹 開密 蘇」

以上の中から、練功時間によって全部通して行うバージョンと、
いくつかをチョイスして行う短縮バージョンがあります。
ここでは短縮バージョンを数回に分けて、順番に紹介します。
解説文の後に続く写真(左から順になってます)とともに解説します。
なお気功的な面があるため、一部で経穴(ツボ。「」内)等の名称を使っています。
一般的な経穴名ばかりなので簡単な経穴図などを参照していただくと理解していただけますが、
日常功の全体像を含め直接学んでいただく方が分かりやすいかと思います。


日常功を行なう際には、以下の点を意識して下さい。 

①立って行なうところは、肩幅で足先は真っ直ぐ(平行立ち)か気持ち内八字に。 
②特に指示があるところ以外の呼吸は、初心のうちは鼻から吸って口から吐く。
③舌先は、上の歯の裏側つけ根につける(日常功に限らず凛道の基本です)
④ゆっくり自分の呼吸に合わせて、リラックスしてやると良いでしょう。
⑤精神が不安定と思うときは、応掌のみをやりましょう。



<応掌 おうしょう> <晴頭 せいとう(前半)>(その1)

 足の外側が肩幅で足の内側を平行、またはやや内八字で立ちます。
息を吸いながら両手を「膻中」の辺りまで上げます。そのときに両手の間に気のボールをイメージします。
そのことにより、無重力の状態である間ができ、気のボールが消えるから手が下ります。
手を上げる高さの「膻中」とは乳首と乳首を結んだラインと正中線の交点です。
肩まで上がると上げ過ぎです。息を吐きながら手を下に下ろしたときは、手首を曲げて掌は床を向けます。
呼吸に合わせ両手を数回上げ下げします。

 <応掌>

  
呼吸に合わせ手を上下します


肩まで上げると上げ過ぎです


 手がジーンとしてきたり、モゾモゾしてきたり、気感がでてきたら、
両手を「百会」(頭のてっぺん)へ持っていきます。
目を閉じて人差し指・中指・薬指の3指を百会に当て、百会から息を入れてお腹に下ろしてきたあと、
「会陰」(尿道と肛門の中間)から吐くイメージで3回呼吸します。

次に、両手はその位置のままで頭だけ少し後ろに傾けて、
両手を「天倒」(赤ん坊が生まれたときには柔らかいところ)に移し、
天倒から息を入れてお腹に下ろし、足の裏から息を3回吐きます。

目を開けて3指をこめかみの少し上に移し、そこを数回クリクリ回します。

 
  手を頭上に移し、百会で吸って会陰で吐く


続いて手を天倒に移し、天倒で吸って足裏で吐く


手はこめかみの少し上に

 そのあと、指の当てる位置を少しずつ下へ下ろしては数回クリクリ回すことを繰り返し、頬骨の出っ張りの下までいきます。
次に手を後頭部へ移し3指で数回クリクリ回しますが、このとき両手の間隔は2~3cmほど空けます。

  
顎関節をクリクリ  

後頭部(上部)をクリクリ


当てる位置を少しずつ下へ下ろしては、3指をクリクリ回わすことを繰り返していきます。
首の後ろも同様にしていき、首の付け根まできたら、今度は当てる位置を斜め上に上げていき、
後頭部側面の凹み(「完骨」の辺り)までいきます。


 <晴頭(前半)>

 
肩甲骨上部をクリクリ

 
後頭部側面をクリクリ



<次回も「日常功」の予定です>

 


★藤枝代表(凛道東京の会)、ムエタイ試合でTKO勝ち!(小嶋・記) 

4月7日(日)、東京の八王子で開かれた格闘技イベント「超人祭り」で、凛道東京の会・藤枝代表がムエタイ試合に出場。
この日は藤枝さんの招待で、僕が専門学校でクラスメートだった多和君を伴い観戦。
藤枝さんは膝の具合が良くないと聞いていたのですが、ケガを感じさせない戦いで見事2ラウンドTKO勝ち。
勝利の瞬間に立ち会えました。

他にもムエタイや総合格闘技の試合が何試合も組まれており、すごく堪能できました。


 

 

藤枝さんの試合。白トランクスが藤枝さん。見事勝ち名乗りを上げました。


今回の観戦は、多和君の4月から東京の教員養成学校入学に伴い
「東京でムエタイジムに通いたいので、事前に情報が欲しい」と言う一言が始まり。
それなら藤枝さんに聞くのがいい、ということで連絡を取り合っていたのですが、
時期的に新生活の準備等で延び延びになり、僕も凛道の先輩・藤枝さんの観戦がしたいという意向があったため、
この観戦日に決まり、藤枝さんの試合観戦後に多和君を紹介することとなりました。

 

    
凛道東京の会・藤枝代表

今回の藤枝さんをサポートされた皆さんと食事会

試合後、今回藤枝さんのトレーナーやセコンドでサポートされた皆さんと、タイ料理「おりえんたる食堂 味庵」で会食をしました。
この料理店は今回、藤枝さんのトレーナーを担当したマットさんが経営されています。
マットさんはムエタイ戦士として日本のリングでも名を馳せ(最近もリングに上がることがあったようです)、
現在はムエタイの指導者でもあり、選手の裏方でサポートもされています。   

今回サポートされた皆さんのお話を伺うと、各方面で活躍しながら現在もムエタイ現役バリバリのスーパーウーマンな方々。
食事会にマットさんも入っていただいての楽しいひと時となりました

 



<京都の会 行事予定>

*「凛道京都の会 演武祭」 5月26日(日) 午後2時より道枢葆光庵にて




 
<次回号の予告>

*京都の会 会員レポート
*入江師範の「武術雑感」(第15回)
*凛道実技紹介(第19回)・・・「日常功」その2
(あくまで予定です。変更の可能性あり)



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    練功着に普段着にと実はひっそり活躍しているオリジナルグッズ・凛道T。
  季節を問わず大活躍です。この機会にぜひ!
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   色: 白・若竹・桃

  

★次回の更新は2019年7月1日の予定です★

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