京都の会だより

2019年3月号
3月1日更新


★京都の会「平成31年 新年会」 

 道枢葆光庵にて2月11日(月・祝)、午前から夕方まで練功ののち、京都の会の新年会が開かれました。
今回は春から入江先生がお嬢様一家のアメリカへの転勤に伴い、
お孫さんの子守等のため、しばしの間渡米になりそうとの事なので、「入江先生を囲んで」という趣旨の新年会になりました。       

 
おでんと鍋を囲んでの新年会です 

 ・・・小嶋は個人的な事情で時間がとりにくかったため、最初は今回の新年会を欠席するつもりでしたが、
入江先生の渡米が短期ではなく数ヶ月になるかもしれないということなので、
小一時間の滞在でしたが凛道京都の会・初期のアカデミーイリエ時代の映像DVD(7分程のもの)を持参し、顔出し程度の参加をしました。
おでんとキムチ鍋をいただきながら、持参したDVDをモニターで壁に大きく映し出して皆さんと観賞。
入江先生に懐かしい映像をご覧になっていただき、喜んでいただけたかなと思います。 (小嶋・記)


「京都の会 演武祭」 開催決定!

5月26日(日)午後2時
道枢葆光庵にて開催
(京都市北区小山東元町1:地下鉄烏丸線北大路駅から徒歩8分)
道枢葆光庵の地図は、当ホームページの「各練功会案内」でご確認下さい




<コラム>木下代師範のつれづれ日誌

2019年 京都凛塾の新年会は、普段なかなか都合がつかない佐藤先生が参加出来ることも考慮し、2月11日(祝)の練功会終了後に、開催しました。
“おでん”と“キムチ鍋”、差し入れに美味しい餃子もあったりと、心も身体も十分温まり、和やかな終始和やかな雰囲気の会でした。

 平成最後という節目に当たるこの年、小松原道場・北大路道場のことを思い返していました。
元々、在籍数が少ない京都の会ではありますが、恵まれた環境にあると私自身は考えています。

それはやはり、小松原道場は入江師範、北大路道場(道枢葆光庵)は物部師範の大采配により、
公民館などの施設を借りることなく、宴会や勉強会をするにしても、使用時間を気にせずに、伸び伸びと場所を継続的に利用させていただけていること。
武術の面だけではなく、知慮もあり経験豊富で頭の柔軟性レベル、精神性の面でもバランス良く自身の中で噛み砕いて吸収できるところ、
つまり、対人関係にも通じる、しなやかな動き、合気、身体を動かしながら修練していく点、
そこに凛学の哲学があり、私自身の現時点での解釈が、内三合「心至れば意至り、意至れば気至り、気至れば力至る」、
外三合「眼と手が合い、手と身が合い、身と足が合う」という、「脳・全身・心」を一致共同作業しながら自身の調和を拡大させていき、
究極的にそれは、波動となり周りにも調和が広がり、個が全体性の中に溶け込んでいく、
武術を超えたその先にある向こう側に辿りつくためでもあるのかと考えており、
その諸段階の基礎的な練功が日常功だったり、凛道の型などで、自身の内を掘り下げて行き、練っていく。
その得た感覚を更に深める意味も含め、日常生活内においても、応用して練功を積み重ね、更に深く掘り下げていくということだと考えています。


今回は、小松原道場にまつわるエピソードをご紹介します。

小松原道場の一番印象に残るエピソードと言えば、
まだ京都に道場がなく、公民館などで借りていた頃、当時塾長だった入江師範の言動でした。
ある時、入江塾長が「お金がある人はお金を提供しましょう」とか
「場所がある人は場所を提供しましょう」とか、塾生の前で話されているのを聞いて、
当初、心の中で「本気で言っているのだろうか?何気なく言っているだけなのかも?
いや、でも、そんな人、こんな少人数の団体の中で居るのか?居ないのでは?…」と、
私にとっては、それがあまりにも唐突に感じ吃驚したことを覚えています。


そして、そうこうしているうちに、入江師範のゆかりのある土地に建っている家の1階を道場にすると言われ、
場所だけでなく、身銭を切って自ら発した発言通りに実践されたことに対しても更に吃驚した、その道場の場所が、小松原道場でした。
月日は流れ、2019年3月、来月で丸15年。( 2003年9月から改造工事が始まり、翌年4月頃に完成した模様、詳細は下記リンクに

http://rinjuku.doumeki.com/setup_1.htm )
語学のスペシャリストで頭脳明晰、歳を感じさせない入江師範、
探求心と柔軟な頭脳、時折、力が抜けるようなおやじギャグを連発する物部師範、


いつもありがとうございます。






★連載企画第十三回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」

 京都の会の重鎮であり、他派との積極的な交流など多方面で活躍されておられる入江師範の連載コラム。
内容はお任せです。


今回はお二人の方の手を、いや口をお借りします。
月間秘伝2018年10月号に日野晃君が「武道者徒歩記」と題して、
凛塾宗師廣川弘先生との邂逅が「柔よく剛を制する」の糸口になったと記している。
一般的に我々は肩から上に意識が集中し、肚や足を見ることは至難の業であるが、
日野君は宗師から肘を観ることを教えられ、それからは武密功の一つ「径手」の練習に夢中になり、
周りの人たちから怪訝に思われるほどあったという。
廣川先生は「径」を中国明清代の形意拳から採ったと教えられた。
さらには東南アジア武術に淵源があると思われる。
肘が分かればしめたもので、腰、肚、足が見え、「型」の教えるところを知る手がかりになる。  

また、塾生の加藤伸貴君の投稿に、論語が引用されている。
(衛霊公第十五) 子曰く、無為にして治まる者は其れ舜なるか。夫れ何をか為さんや。己を恭々しくして正しく南面するのみ。
私としてはこれを武術の話としてしか読めない。
先帝(堯舜)の時代は「無為にして為さざるなし」が成立していた。
佐川幸義師範(大東流合気柔術)なら「透明な力」と呼ばれるだろう。
無為によって治める力は色も音も匂いも形もなく感覚ではとらえられない。だから佐川師範は実感(拙力)に頼る稽古を厳しく戒められた。
力を用いるのは破綻した後の悪あがきにすぎず、武力に頼る政治は失敗である。
事態を発生させず、ただ己を恭しくして正しく南面するのみ。凛塾では「こころ」による稽古には限界があり、
斉法によって自己を整え、「こころ」をできるかぎりシンプルにして「意」に至る道が説かれている。
「意」はどういうものかというと「意は霊犀の如し」と伝えられている。
ただこれも稽古の第一段階にすぎず、深層に向かうにつれて息もできないほどの集注が必要になると思われ、
己を省みて正しく南面す、無為にして為さざるなし、に到るには深い階層があること肝に銘じて、拳拳服膺。


 次回(2019年3月号)に続く



★京都の会・初期の練功画像!  (小嶋・記) 


・・・京都の会・発祥の地「アカデミーイリエ時代」の画像です。
白帯だった頃(昭和57、8年頃かと思います)まだビデオカメラは安くなく、
当時の会員だった方より頂いた8mmで練功を撮影したフィルムが手元にあったのですが、
今では映写機も無く見ることが出来ないため、長い間ひっそりと眠っていました。 
 
フィルムの中身もよく覚えてなかった中、眠っていたフィルムをDVDで復刻できる機会が訪れて、
わずか7分程度の映像ですが約三十数年ぶりに懐かしい風景を見ることが出来ました。
まだ発祥から2~3年の頃であり、京都の黒帯(初段)はお二人だけで後は全員白帯の頃のものです。
皆さんニコニコ明るく、熱心にやっていました。

  

分解組手練習。右が私です


当時の会員は10名くらいで、画像は日曜クラスです(会社員やOLが練習する平日夜のクラスもありました)。
この日は入江先生を含め5人で練習していたようです。
当時、凛塾の道着は上下白または上着のみ赤も採用されていました。
画像で赤を着ているのは入江先生と私になります。


円容拳(円旺)の形

「転掌」の形

平安五段を4人で

 

形と分解組手をやっているのと、今はカリキュラムにない平安五段の形の練習も映っていました。
ある程度分解組手練習に慣れてくると、変化をつけた組手練習になります。   

例えば下の画像は攻手が中段正拳突きのみ、受手も返えす技は手技だけ、お互い軽く当てる程度で、と最初に決めます。
そして両サイドの攻手が交互に攻撃してくるのですが、やってるうちに自然と段々テンポが早くなり、
受手は技を返したらすぐ振り返り後ろの相手に備えないと攻撃が当たります。
入江先生の「やめ」が出るまで続けられ、考えていたら攻撃を当てられるので、
咄嗟に反応して出るのはシンプルな技か、体に身に付いた動きだけになるのが分かります。

   

 

両サイドから連続で交互にくる突きに対応していきます。

今度は攻手が前蹴りと回し蹴り限定で、受手は蹴りをかわすか受けるかした後に蹴り技限定で反撃します。
突きのとき同様、お互い軽く当てる程度で攻手は交互に攻撃します。

   

    


入江先生の三戦の形映像も入っていました。入江先生の演武は手足が長く見えます。

  

眠っていた映像が甦り、当時の懐かしい様子が見れて感無量でした。・・・

 

*凛道実技紹介は都合により、お休みします。
<次回から「日常功」の予定です。(休止・変更の可能性あり)>





<京都の会 行事予定>

*「凛道京都の会 演武祭」 5月26日(日) 午後2時より道枢葆光庵にて




 
<次回号の予告>

*京都の会 会員レポート
*入江師範の「武術雑感」(第14回)
*凛道実技紹介(第18回)・・・「日常功」その1
(あくまで予定です。変更の可能性あり)



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★次回の更新は2019年5月1日の予定です★

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