京都の会だより

2019年1月号
1月1日更新


  「旧年中はお世話になりました。本年も宜しくお願いいたします」

平成31年 1月1日   凛道京都の会 一同

★平成31年度 京都の会役員

顧問相談役
入江師範

指導部門
入江師範、物部師範、小西代師範、木下代師範  

運営部門
会長・小嶋参段、会計・木下代師範


昨年と同じ陣容で継続です。


入江師範

物部師範

木下代師範

小西代師範

小嶋参段

    ・・平成最後の年明けです。
今年も凛道京都の会会員一同は、練功に励んでいきます。

 <コラム>木下代師範のつれづれ日誌 : 恒例 小松原道場忘年会(中国語勉強会と合同)

今回の参加者比率は、凛道のメンバーと中国語勉強会メンバーは大体半分ずつとも言えるし、
両方参加されている方もいるので、小松原道場に出入りしている人達の忘年会というところでした。
また、10人以下の参加者であるにも関わらず、奇遇にも同じ誕生日生まれの人が2人もいたのもあり、
つつましく誕生日会も併せて催しました。

 

16時半スタート20時頃にお開きでした。
美味しくて身体が温まるお鍋とお酒をたしなみながら、
今年度の振り返りと、今後の社会情勢や、将来に向けての前向きな意見交換が行われた忘年会でした。

途中から満州族の方が参加され、主食でよく食べるという麻醤餅(あっさりした味で、パイ生地のような食感)と、
蒙古奶茶(チャイのような味)を振舞ってくださいました。
“作り方など興味ある方は、YouTubuで検索すると出てくるよ”と教えていただきました。

 


口に合い、異文化体験もさせていただき、終始和やかな雰囲気で、
事故等も起こらず、今回も無事に終えることができ良かったと思いました。

誕生日会、というと、年を取るにつれて誕生日を祝ってもらうのは複雑だと思われる人も多いかと思いますが、
祝うというのは目出度いことですし、自身も祝ってもらうとやはり嬉しいと感じます。
それに普段、「ありがとう」などは、頻繁に使ったり言われたりとしますが、
「おめでとう」というのはよっぽど特別なことがない限り使わないので、良い言葉ですし、貴重だなと改めて思いました。



去年の秋ごろから、声帯にひどく負担をかけずとも響かす歌い方があることを知り、
仕事にも凛道にも、他の面にも、共通して通じる部分が多いことに気づき模索中。
今のところ、月2回の指導しか受けていませんが、それでも毎回発見が多く、
声帯関連に興味がいかなかった時より、身体の端から端(頭頂部&顎、足指、手指←最近益々大事だなと)までの
意識の仕方が少しずつ変わってきているように感じています。
まだまだ不必要な硬直感があるし、なかなか取れないなと思いながら練功したり日常生活を過ごしていましたが、声楽へ通うようになってから、
“口腔内の緊張を取っていくことで適度な振動とリラックスの相乗効果もあってか頭蓋骨が緩みつつ、身体全体も緩む”、
という部分には着目していなかったので、私の中では衝撃的でした。
声楽もすごく奥が深いなと感じましたが、人間の身体は、やはり不思議なくらいすごいなあと改めて思いました。
今のところ、立っているけれど、完全に硬直しきっていない“ちくわ”のイメージが思い浮かんでいます。

                                                                                                                次回に続く

*京都の会 平成31年 新年会の予定
決まり次第お知らせします!

 



★連載企画第十二回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」

 京都の会の重鎮であり、他派との積極的な交流など多方面で活躍されておられる入江師範の連載コラム。
内容はお任せです。


昨年は 図らずも詠春拳、八卦掌を学ぶ機会を得て、空手の源流に交錯する諸派の拳を研究することができました。
時代をさらにさかのぼる形意拳や心意拳の研究はさらに困難な点があります。

20185月のレポートでも書いたように先師摩文仁賢和先生、廣川弘先生も源流の研究に励まれたが、
それは知識や言葉ではなく、身をもってする体験であった。
ある面で、白川静先生の漢字研究にも通じるものがある。
「説文解字」に対する疑問から発し、その解釈を覆すに至るまでには、
漢字誕生の背景にある歴史、社会、風俗、言霊、神話、宗教、図像(凛學の易學の項を参照)を体験し、
古代人の感性を身に着けることが必要であった。

 
 武術の型においても、その説明や動作のみに注目すると自分が置き去りになってしまう。
そのような動作を自然なものと感じていた人々の「からだ」にもどってみないと、格好だけのまねごとに終わってしまう。

そのような稽古は反復や強化とは無縁であり、そのときだけ、一回限りのものである。
すべてを停止、固定化し、つなぎとめておきたい頭脳の欲求とは全く別物なので、
分析、蓄積、行動型の人にはつらいかもしれないが、頭脳の拘束を嫌い、「からだ」の自由に任せたいタイプの人には解放感がある。
しかし、現代人であり、社会人でもある私たちは、身体の多層性を自覚しながらの使い分けという高等技術(?)も身に付けなければならないようだ。


 次回(2019年3月号)に続く



●凛道実技紹介<第17回>

<貴妃(貴妃功、貴妃三式)>

 凛道では「亀伝」に6つの形(六当、貴妃功、平安弐段、征遠鎮、羅天、公相君)があります。
今回取り上げるのは亀伝の<貴妃(貴妃功、貴妃三式)>です。

 貴妃は「①体型を美しくする」「②瘀血を取る」ことを目的とした健身功として行なわれますが、
掌を前に突き出したとき両足の内側の陰蹻(いんきょう)を締めた「緊」の状態から、
緊張を解放して「緩」の状態になると同時に次の動きになるところや、
掌を前に突き出したときの形が凛道の突きの基本的な形<「つ」の字>になっているなど、
健身功として行ないながらも、凛道空手の基本的な体の使い方をしているのが分かります。 

      突いたときの両腕が「つ」の字になります

 
連続写真では左側から始めており、ここでの解説も写真に従って進めますが、
逆向きの右側から始めても構いません。
ただし、その場合は解説文とは左右が逆になります。

 では連続写真に沿って、左端から順に解説していきます。

 <写真左端から1~2枚目まで>
まず肩幅に足を開いて平行立ちとなり、息を吸いながら腹部をへこませて、
両肘を両脇の方へ引き、拳を握っていきます(「緊」の状態)。
このとき高齢の方や血圧の高い人は、息を吸いながら腹部をへこませると血圧が上がるので、
へこまさないようにして下さい。

 <写真3~6枚目まで>
次にゆっくり息を吐きながら(緊が緩み「緩」になることで)右踵を約45度外へ出し、
両手を開いて右手を前に出していきます。
このとき左手は右手上側へ出して両手の間にボールをイメージします。

 続いて息を吐きながら右手は拳を握り引き手をとり、左手は掌面を後ろ向けにして真横へ伸ばし、
顔を左に向け視線も左手に向けながら胸を開いていきます(「緊」)。
そして息を吸いながら、横に伸ばした左手は腕全体を動かして手掌を上に返し、
同時に左足は踵を中心として約45度くらい外へ開きます(「緩」)。
次に息を吐きながら左手を引いて拳を握り引き手をとり、
右手は手首を立て掌を前へ突き出していきます(「緊」)。

   ・・・このときの形が突きの形になっていて、横から両腕の形をみると 

「つ」の字に見えます・・・



<写真7~10枚目>
掌を突き出した後、左足のつま先を上げ(重心は後ろ足に移し)
つま先と共に体が45度外に開き(スタート時の正面と反対側を向く形になります)、
手の上下が入れ替わり体の正面でボールを抱く格好(凛道ではいえば「蓄劲」の形)になり、
重心は左足へ移ります(「緩」)。

 上体をやや左に倒し、両手を真横に平行に開いた状態で両手首を立て、左の甲を見ます(緊)。
(このとき体の軸が倒れているので、右手は上方へ左手は下方へ出て行くことになります)

 若く体の柔らかい人は上体を写真くらいか、もう少し倒してもらっても構いませんが、
自分の体と相談して無理をせず練功して下さい。

 最後に息を吐きながら右拇指球(虎趾)を中心に踵を回し重心を戻していき、
体を最初の位置(正面向き)に戻し(「緩」)、再び息を吸いながら両腕を引いていきます(「緊」)。
あとは先ほどと体を向ける方向と、手足が左右逆になり続けていきます。



この一連の動作を左右交互に1セットとして最低10回程、時間があれば36回行ないます。

  貴妃功はゆったりとした動きで身体の緩緊、そして身体の大きなねじれの動作を呼吸をはずませず、
呼吸に合わせて行なうことで、内臓脂肪を燃焼させていきます。
「美姫(びき。<金魚>のような美しさ)」ではなく、「貴妃(<鮎>のような美しさ)」を目指す功です。
なお、この形は「凛塾京都の会 フェイスブック」にて動画配信(木下代師範・演武)されています。
この解説と共にご覧になると、より動きが分かりやすくなります。一度ご覧になって下さい。

  
<次回から「日常功」の予定です。(次回号は休止・変更の可能性あり)>        

 




<京都の会 行事予定>

*凛道京都の会新年会は1月の予定です
(詳細が決まりましたら、この月報に追加記載します)

 <次回号の予告>

*京都の会 会員レポート
*入江師範の「武術雑感」(第14回)
*凛道実技紹介(第18回)・・・「日常功)」
(あくまで予定です。変更の可能性あり)



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★次回の更新は2019年3月1日の予定です★

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