京都の会だより

2021年3月号
3月1日更新

***凛道京都の会 お知らせと状況*** 


①佐藤師範の京都巡回指導

 「凛道司」佐藤師範が京都に指導に来られる日の予告です。
京都の会の師範、代師範、希望する京都の会員が参加します。
主に第4日曜(12月、1月休)、月一で指導に来ていただいてます。
佐藤師範直々の指導を受けられるいい機会ですので、参加できる方は是非!。
※ただし緊急事態宣言が続行、または再度発生すると中止になります。

注!! 
3月28日
は都合により中止になりました!



◎次回予定
4月25日(日)午前の部・10時から、午後の部・14時から
◎参加費・・・ 月会費を収めている会員は無料。
会費を収めてない人は一律500円を徴収します。



②京都の会 各練功会の練功状況
昨年に続き1月中旬より2度目の緊急事態宣言で再度ストップしていた練功ですが、
解除になった現在のところ、各練功会とも様子を見ながら再開していきます。

◎小松原練功会・・・ 3月4日(木)より練功を再開
各自間隔を取って、形練習と体操などを行なっています。

◎道枢葆光庵(物部道場)・・・ 3月7日(日)より練功再開
窓を開け、全員マスク着用で練功しています。

◎西京極練功会・・・ コロナの状況を見て練功再開の予定。
入室時に手指消毒、検温(37.5℃以上の人は練功参加不可)を行ないます。   


 

★木下代師範のつれづれ日誌

廣川先生が亡くなる数年前、私は凛道を知り、練功会に参加するようになりました。

その際、廣川先生は下記の内容を何度か話されていました。

先生は、空手の形で殺気を出すことに関しては、あまり好まれず、摩文仁賢和先生のような、“ ホイホイ “ とやっつけてしまうような、そういう感じが良いと。。。

それに割合近く、イメージしやすい例で、映画の「ベストキット」に出てくる空手の師匠ミスター・ミヤギを

観ると良いと聞いて、ベストキット1を観た記憶がありました。

一見、普通のおじいさんの様に見えるが、ヒョイヒョイと倒してしまう…。

実際、廣川先生に弟子が向かっていった時、その場でいつの間にか崩されてしまう、という場面を見た記憶があります。

殺気立っていたように見えなかったですが、堂々として表情変えることなく無理なく動作されていたように思います。

また、凛道の追い求める中に、

「死ぬ前が武術的に一番強いのを目指すのが良い」

「滅び支度」・「日本庭園で魅せられるような“ わび・さび ”の美意識が大切だ」と話されていました。

晩年、廣川先生の「壱百零八」の最後から少し前の手の動きが、息を吞むほどの美しい動きでした。






★塾生レポート(加藤・記)

Vol.7

寒さが和らぎ、陽が差すと暖かく、桜が待ち遠しく思います。

 さて、社会人になってからデスクワーク(PC作業)が多く、体ががちがちになってくることが多いです。
前回まで「腰」「手足」「呼吸」の話をしてきましたが、普段の仕事から「腰」「手足」が固まり、前傾姿勢になり「呼吸」が浅くなって疲れてきます。
そして、耐えられなくなると小嶋先生のマッサージこじまで施術を受けております。
ただ、普段から「腰」「手足」が固まらないようにするため、物部師範から貴妃(きひ)三式を教えて頂きましたので紹介したいと思います。


貴妃一式、二式、三式と段階を分ける

①先ず一式を関節の力を抜く

②骨と骨を引き離す

③筋肉をつないで伸ばす

(筋肉約600,骨206。お腹と腰を等量に引いて行う。)

一式で何らかの感覚をつかんだら二式(突きの形)へ進む。
踵に重心、背部の筋肉を下から順につなげる。

実践しようとしましたが、かなり難しいように感じました。
まず、①の関節の力を抜くというのはなかなか難しいです。
すべての関節を意識できないので、どこまで無意識に全ての関節の力が抜けるか試しましたが、感じられたのは肩だけでした。
ですので、肩だけに集中して②に続けました。
骨と骨を引き離すと筋肉が緩む感じがします。この時はかなり気持ち良いです。
しかし、③では筋肉をつないで伸ばすため、力んでしまいます。
とりあえず、次にすすんで最後まで通します。
何回から貴妃三式を通すと①~③の感覚が付いてきます。
すると固まっていた「腰」「手足」が徐々にほぐれてきて、楽になります。

何事も鍛錬、普段の所作にも①~③を取り入れて固まらないようにしたいと思います。

貴妃三式は京都の会ホームページの2019年1月号で技法解説を掲載しています。そちらも併せてご覧下さい。 




●凛道実技紹介<第29回>

<六当 (”ろくとう”または”りくとう”)

今回から立功を紹介する予定でしたが、非常事態宣言下の影響など諸事情のため予定を変更し、
「肘当六当(六当)」を佐藤師範の解説とともに、2回に分けて紹介します。

 ●「六当」について●

凛道空手の入門の”形(かた)”である「童心之拳」に分類されている。
(「童心の拳」には、「六当」と「平安弐段」の2つの”形”がある)
元々は「肘当六法(ひじあてろっぽう)」と称されていた。
廣川弘先生が初代会長を務めておられた糸東流空手道拳龍会の資料にも「肘当六法」と記されている。
 そしてこの”形”は、糸東流空手道流祖・摩文仁賢和先生の創案の形で、入江宏和先生が記されたレポート、
「詳報!『空手道凛塾 第三回合宿』昭和五十七年九月四・五日 奈良県平群郡鳴川元山上 千光寺」
(私ー佐藤ーが、1983年(昭和58)年9月に初めて参加した奈良・正暦寺で行なわれた折に資料として頂いた。
入江先生のレポートを廣川先生が清書し、まとめられたもの)内にも・・・

(以下抜粋) 「午後の練習は肘当六法、先代摩文仁先生創案の形、先輩方はこの法だけに半年を費したという。
それが小一時間の内に微に入り細を穿った演武と解説、一つ一つの足の運び 肘に用法にこめられた工夫の深さ、
更には華麗に展開する柔法、不詳の弟子にはとまどうばかり、
そしてこの自由な動きの中には夜の御講義の伏線があった」(以上、抜粋終わり)
と記されている。

その後、1992年(平成4)年8月に廣川先生により頂いた冊子『凛学』には「肘当六当」と改変して記されており、
1996年(平成8年)9月に頂いた資料の”凛道空手少目録”の項には「肘当」と記され、
1997年(平成9年)6月に頂いた資料の”凛道空手相傳目録”には”六当”と記されている。

 現在、凛道空手では”六当”という名称を用いている。
参考までに摩文仁賢和先生が著された『攻防自在 護身術空手拳法 復刻版』(2006 年8月榕樹書林・刊)
を見てみると、45ページに ◇臂當・・・六當◇ と記されている(つまり ◇肘当・・・六当)。 

 

・・・それでは形の順番・解説に入ります。
六当は「右」「左」があり、今回は「右」
で解説します。

 「用意の姿勢」

まず最初”外八字立ち”となり、両手を軽く握って膝の上あたりに持ってきて、用意の姿勢を取ります。

「構え」
「『六当』『右』に構えて」の合図で、右足を後ろに下げながら両腕を回転させて、
直径が身幅くらいの球をつくり(このとき左腕は上、右腕は下となる)、
左足が前の”前屈立ち”となるときに、左腕で下段払いをします。

 

   右の六当   

 
「用意」の姿勢  
  
「構え」の姿勢

「第一動作」 号令『一』

 次に上体のかたちはそのままで右足を前に出していき、右足が前の”前屈立ち”となり、
そのあと右肘を下から上に上げて肘当を行います。


「第二動作」 号令『二』

続いて右足を後ろへ下げていき、胸を縮めて両腕が十字のかたちに交差してから
”四股立ち”となるときに胸を開いていき両肘を前後の方向へ突き出します。

 
 「一」 
  
 「二」


「第三動作」 号令『三』

右足を前へ左足へ寄せていきながら右手を上、左手を下に持っていき、
右足を横へ出して”四股立ち”となるときに右肘を横方向へ突き出します。


「第四動作」 号令『四』

上体のかたちはそのまま、右肘をそこに置いておく気持ちで右足を前に出し、
右足が前の”前屈立ち”となり、右胸を開いたかたちから胸を閉じ、右肘を内へ打っていきます。

    
「三」  
   
   「四」



「第五動作」 号令『五』
下半身はそのままで、右胸を開き右肘を一度外へ出してから、内へ横打ちを行います。    


「第六動作」 号令『六』

最後に下半身はそのままで、右手を頭上に上げて、右肘を下へ打ち下ろします。

   
「五」  
   
  「六」

「元の用意の姿勢へ」 
右足を後ろへ引き、”外八字立ち”となり両手を軽く握り、元の姿勢に戻ります。


「元の姿勢」



<次回は左の肘当六当(六当)と分解解説になります>



「あおさんブラブラ歩(ある)記」10回目・中華圏編④(小嶋・記)

回に続き、中華圏第4話です。
テーマを拡げるとかなり膨大になってしまうので、ここでは「カンフーおたく」ネタのみに絞りレポートしています。


◎蒼き狼の子孫たち・・・ 内モンゴル
・・・二十数年前の夏、思い付きから内モンゴルへ行くことに。
内モンゴルが観光に適するのは、気候的に7月から8月下旬位と短いです。
(盆の時期でも現地で日の出を見に行くと、夏服では寒く10月下旬くらいの体感でした)
北京で一泊後、飛行機で内モンゴル自治区の都市・フフホトへ。
早朝に現地での日課、散歩に出かけホテルのそばにある広場に行くと、場内に青空露店が並ぶ。
その中に何やら人垣があり覗いてみると、
大道芸人のおっさんが上半身裸で片手に石を持ち、唾を飛ばしながら何やら熱弁していました。

 
ホテルから見たフフホトの広場(写真左上)

早朝から青空露店が並び、多くの人が行き交う


おっさんの熱さと対照的に、そばで座っている幼稚園児くらいのご子息(か?)は早朝で眠いらしくアクビをしているのがかわいい。
おっさんが何を言ってるのか分からないけど「シャオリン(少林)」は聞き取れた。
持ってる石を地面に投げつけ「これでも割れない硬い石を、少林拳の秘技で割って見せよう」とか言ってるんだろうか。

おっさんは呼吸を整え手刀一閃、見事に石は真っ二つ! 
おっさんはドヤ顔で割れた石を誇らしげに掲げ、見物人は「凄ぇー」とやんやの拍手・・。
でも、おっさんのやっていた自然石割りを見ていると、選ぶ石の形状とセッティングに秘訣があり、
どちらもクリアした上で、そこそこ手を鍛えていれば可能な芸当のように見えました。


フフホトの広場の朝市で、大道芸の自然石割り
 
ドラゴンへの道ならぬ大草原への道

    

日中にフフホトからバスで揺られ、大草原の四子王旗へ移動。
観光客用の包(パオ。モンゴル語はゲル)に2日間宿泊して、乗馬や弓、キャンプファイヤーを体験しました。
個人的には約1時間の乗馬が良かったです。
現地モンゴリアンによるモンゴル相撲のエキシビジョンを見学していると、観光客の飛び入りを受けますとの事。
同じツアーの元気な若者2人が挑戦するも、善戦及ばずでした。
エキシビジョンを見た印象は「ジャケットを着て掴みあい、足の裏以外が地面に付いたら負け」というルールの関係で、
相撲というより柔道に近い(小内刈りのような技も出てました)感じでした。

 
現地の弓矢を体験
  
  乗馬はなかなか楽しかったです  
   
 モンゴル衣装を着て

  
モンゴル相撲の実演 
 
 デモンストレーションながら白熱の乱取り

内モンゴルに行く前は「何もない大草原に行って何が面白いの」とか
「見るとこあらへんで、どないするんや」とか周りに言われ、「しまった・・かな?」と思ったりしました。

 現地に行ってみると、元々この方面に行く方は行動的・友好的な傾向なのか、
キャンプファイアーの時に各グループで出し物を出してくれと言われれば、
全く面識のなかった者同士、皆で話し合い真っ昼間の広い草原でリハーサルをしたり、
フフホトに戻ってから誰かが散策と駅を見に行こうと言い出すと、
希望者が集まり十数人のグループで夜の散策に出かけたり、
何もない所だから一緒に行った人達で「何をしようか」と、自分達で楽しめるようにしていたところがあったかなと思います。
現地の方々もユニークな方が沢山おられたので、今思い出しても大変濃い旅だったと思います。

 大草原では他に東京と香港のグループも一緒だったのですが、
やはり関西のメンバーはバイタリティーに溢れ、ここで参加できたのはラッキーでした。



帰国して解散した後も、ツアー参加者の大半が(関西を中心に西日本各地から)大阪に2回も集結し、
その中から十数人で立山登山にも行きました。
その後2年ほど経つと環境も変わって段々集まるのが難しくなり、自然消滅していきました。
遠い昔の事になりますが、十数回の中華圏旅行で、今でも内モンゴルの時が一番印象に残っています。

内モンゴルツアーの1週間とその後の皆さんとの集まりは小冊子ができそうな数多の小ネタがあるので、尺の都合上この辺でやめます。
台湾編は次回にします。



・・・<追記>奇遇にもこのレポートを作成中、
内モンゴル旅行でご一緒だった中国少数民族研究家の方(大学で講師もされてます)から、
少数民族の未開放村を中心に過去五十数回訪問された記録を納めたハードカバー版の豪華な写真集をいただきました。
他に参加していた方々にも配布されたようです。有り難うございました。
タイミング的にも、この旅の縁を感じるといえば大げさになるでしょうか。   

 写真集は中国当局の許可を取り、通常のツアー旅行では絶対訪れることのない未開放村を中心に、
貴重な秘境生活が沢山納められており、資料としても素晴らしいものです。
自分だけで拝見するにはあまりに惜しく、当院(マッサージこじま・こじま接骨院)の待合室に置いて、
興味を持たれる方に見ていただこうと思います。

(続)



<次号予定>

・各会員レポート 
・凛道実技紹介(肘当六当・第2回)
・あおさんブラブラ歩記(中華編⑤香港
(変更の可能性あり

★次回の更新は2021年5月1日の予定です★

←BACK HOME NEXT→




※※凛道Tシャツ・プライスダウンで販売中。一枚2000円 → 1500円!

    練功着に普段着にとひっそり活躍しているオリジナルグッズ・凛道T。
  
在庫がすくなくなってまいりました。この機会にぜひ。
   お求めは小松原道場・道枢葆光庵(物部道場)にて。

 色: 白・若竹(若干在庫あり)
桃はSOLD OUT
   サイズ: S・M・L・XL