京都の会だより

2020年5月号
5月15日更新


  ★演武祭などの行事を延期します
(日程未定)


コロナウイルス感染拡大の影響により、
毎年恒例の演武祭はじめ合同練功会などの行事予定を無期延期します。
状況を見て予定が立ち次第、当ホームページに掲載します。
現在の状況を鑑みて、京都の練功会は小松原が3月初旬、
道枢葆光庵(物部道場)は3月下旬から、西京極も4月から、それぞれ練功をお休みしています。

会員の皆様は健康に留意するとともに、当ホームページの「凛道技法紹介」をチェックし
練功再開の際にはすぐに対応できるよう習慣的に自主練功に励みましょう。

 
 ★秘蔵画像「平成初期頃の合宿」(小嶋・記)

平成初期頃の合宿シーンを撮ったビデオ映像があったので、画像で落としました。
私の自前カメラで、あくまで自分を撮ってもらうために(!?)持参したので、
私の分を減らし、すでに退会された方々の画像も外すとあまりないですが、
それでも凛道宗師・廣川先生や東京の会・藤枝代表、大阪の会代表だった多久島さんの画像が掲載できました。


滝行の前です

廣川先生が状況を見ておられます

結構冷たかったです

東京の会・藤枝代表
 
廣川先生と藤枝さんの会話
 
お元気だった多久島さん

 
千光寺でくつろがれつつ、若い塾生に話しかけられる廣川先生




★連載企画第二十回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」

前回は 太極、陰陽、四象そして八象の話をしかけていましたが、ゆっくり稽古する間もなく世界は歴史的転換点を迎えました。
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは顔を真っ赤にして環境破壊、経済活動優先を非難していたけど、
彼女の思いは予想外の形で実現し、欲望の資本主義は終焉を迎えようとしています。

 COVID-19で不明なのは免疫力の優れた方が過剰な免疫反応(サイトカインストーム)を引き起こして急激に重症化することです、
つまり、第一象限の肉体で免疫力を高めても、生き死にはお天道さまにお預けすることになります。
死生観が確立していないとびくびく、じたばたすることになります。
死生観の確立こそ凛道の眼目であり(凛學第1ページ)、宗師は、生死を超えた二乗世界の修行でなければならないと説かれていますね。
千光寺合宿では世界が終末を迎えたときの心構えと、所作も稽古したことが思い出されます。

 現今の局面に、心が折れそうになっている方も見うけますが、野口春哉先生の全生に関する言葉を読むだけでも、肚に力が入り、背筋が伸びます。
宗師廣川先生は葦編三絶、「易経」を懐に難局を切り抜けてこられたのですが、
ある塾生の方が、卦の象を投稿しておられるのを興味深く拝見し、勉強させていただいています。
最近の卦が時世にぴったり合っているので、人間と天地の運命を記す易経の智慧には改めて驚かされます。

 最近の卦というのはまず「山沢損」、
これはもちろんビジネス書や人生哲学で説かれているような「損して得取れ」というような安直な意味ではなく、
武道の本質である日々損ずることです。
「为学日益多,为道日损少」これを損して玄となし、また玄を玄くして妙を観る、ある師範は常にこの『妙』の境地を語っておられますね
・・・・・そぎ落として、さらにそぎ落として涅槃寂静(第四象限)に入るのが羅天の稽古です。

 次に「沢天夬」、これには正直驚きました、直前の卦は「益」ですから、溜まりに溜まった水が決壊するとき、英断の時です。
今まで築き上げてきた経済、社会のシステムが崩壊するのですから未練なく断捨離し、自分の足で立たなければなりません。
意気盛んに進んでも勝たずと爻辞に有ります。顔に血気が現れるのは凶ですから、一人静かに決断し、無理、無駄だったことを切り捨てなければなりません。
個人的には「莧陸夬夬」の爻辞が腑に落ちました。
畑にいたずらに根を張った莧陸(ギシギシ)を一つ一つ根こそぎにするように、自分の過ち、ごまかしをあぶり出し、根絶しなければなりません。



そのようにして、新しい一歩を踏み出しておられる方もあるので、その勇気ある決断に感服しているところです。括目相対の日が楽しみです。



次回(2020年7月号)に続く



●凛道実技紹介<第24回>

今回も日常功を紹介します。
定功が終わり「立禅」の後半です。
(立禅は簡易版を紹介しています。全部通してのバージョンは凛道各練功会で学んで下さい)


 「方 円 站桩  壬天 蘇」

前回の「站桩」からの続きです。
站桩は日常功では、初心者はまず1分。
慣れてきたら5分行えばよいです。(時間が無いときは1分)

站桩    


④ 「壬天」  

「站桩」で両掌の間にイメージした「気のボール」を、呼吸に合わせ
【百会】【印堂】【人中】【天突】【膻中】【中脘】【気海】【会陰】の順に
両手の誘導で移動させていきます。
このとき体の内部にもボールをイメージし、両手にあるボールの移動(リード)に合わせ、
内部のボールも一緒に連動していきます。具体的には以下のように行います。


まず站桩の形から、両手で「気のボール」を頭上の【百会】の上に持っていきます。
「はぁー」と吐きながら【百会】に近づけ、吸いながらボールを上げます。
つまり、吐くときに両手が頭に近づき、吸うときに頭から離れて元通りになります。
これを数回繰り返した後、吐きながら両手(ボール)を【印堂(眉間のあたり)】へ下ろしていき、
【印堂】で吸って、吐きながら両手を【人中(鼻の下)】に下ろしていきます。

立禅の間は常に舌先を上の歯の裏側につけたまま、呼吸をしますが、特に【人中】から【天突】へ下ろすときは舌先をつけたままにして、離さないようにします。

壬天   
     站桩の状態から両手を百会へ

  
   次に印堂へ

そして【人中(鼻の下)】で吸って、「はぁー」と吐きながら
(イメージとして体の内部のボールが【人中】➝舌➝喉を通り)
両手を【天突(喉ぼとけの下)】に持っていき、
【天突】で吸って「はぁー」と吐きながら両手を
【膻中(胸骨の真ん中)】に下ろしていきます。
【膻中】で吸って、吐きながら両手を【中脘(胃袋の前あたり)】に下ろしていきます。 


天突

膻中

中脘

【中脘】で吸って、吐きながら両手を【気海(膀胱の前あたり)】へ下ろしていきます。
【気海】で吸って、吐きながら【会陰(尿道と肛門の中間)】下ろしたら、
息を吸いながら気のボールをお腹の中の【丹田(気海の奥)】へ引き上げ、
【気海】に左手を置き、その上に右手を重ねます。
そして丹田にあるボールを呼吸に合わせて小さくしたり大きくしたりして、
それを内視(肉眼を閉じ、心の目でみる)します。

もう少し詳しく説明すると、丹田にボールを引き上げ、両手を重ねて【気海】に置いたら、
息を吐くときにお腹の中のボールを小さくします。
そして息を吸うとボールは勝手に大きくなり、元に戻ります。
このとき無理に大きくしようとは思わないようにします。
これを息を吐くたびに行い、数回繰り返したのち息を吐きながら両手を下ろし、
お腹の中のボールとともに足の裏へ吐き切ってしまいます。

 
ボールを会陰まで下ろします

 
気海に上げてボールを小さくしていき、地面に下ろす


⑤「蘇」
 次に足から息を吸いながら両手を外側から上げていき、天と地の間で「大の字」になります。
その形を保ったまま一度足から息を吐き、今度は手から息を吸って足の裏へ吐きます。
「天」からきれいな気が入ってきて体を通り地面へ出ていき、
心も身体も浄化されていくとイメージします。

これを数回繰り返したら息を止め、両手を顔の前に持ってきて、
息を足の裏へ吐きながら両手を下ろします。


蘇   

片方の足は息を吸いながら前に出し、両手を内から上げていき
「蓮の花が開くように」上に開きます。
そして前に出した足を戻して、両手を顔の前に下ろしてきて息を止め、
屈みながら両手を下ろし息を吐きます。


次に先ほどの反対側の足を前に出して、同じ動作を行ないます。
呼吸に合わせ足を左右入れ替えながら、最低5回以上同じ動作を繰り返します。
     


5回以上繰り返すことで頭がスッキリしたら、
両踵をつけて結び立ちとなり、屈まずに両手を下ろします。
最後に息を吸いながら両手を外に開いて上へ上げていき(同時に足先を閉じて閉足立ちになり)、
両手が顔の前に来たら息を止め、「オス」と言って息を吐き、
両手を下ろしながら残りの息を吐き切って終わります。

   

<次回から「武密功」の予定です(変更の可能性あり)>




「あおさんブラブラ歩(ある)記」5回目・大正区リトル沖縄(小嶋・記)

・・・いろんな所をブラブラ歩いて散策した(ときに登山も)中から「ブラブラ・ゆるゆる」気の向くままにチョイスします。
他サイトの本格的なブログに比べ比較にならない薄っぺらい簡単レポートですので気楽にご覧下さい・・・

今回は大阪の大正区。大正区は周囲を海や川で仕切られているので、ある意味「陸の孤島」。
大正区は京セラドーム大阪(大阪ドーム)と、地理的に渡し船や巨大な数本の橋がある所ですが、
なんといっても関西の方々には「リトル沖縄」で知られています。

沖縄は第一次世界大戦後に食糧難で、多くの方が出稼ぎで大正区へ移住してこられたため、
今も住民の約1/4が沖縄出身者の方で占められた地で、JR大正駅前は沖縄料理店や、沖縄民芸品店などがいくつもあり賑わっています。
・・・ですが、実は沖縄をより感じるのは大正駅からだいぶ南下した(徒歩で40分位!バスでも15~20分)平尾・南恩加島地域になります
(大阪の方はよくご存知と思いますが)。晴天の6月頃でしたら大正駅から平尾まで歩いていくと、ジリジリした日差しが暑く汗が吹き出てきます。

 
平尾へ向かう途中に、ソーキそばを食べる

大正駅から大正通りを徒歩で南下し、陸橋と阪神高速の下を通過してさらに進むと左側に団地が見え、
そのそばに千鳥公園があります。
この公園内に山頂まで33m(?!)の小高い山・昭和山の徒歩ルートがあり、涼しいときに行けたら山頂まで行きたいです。   

 


関西沖縄文庫(かじまや)前で
 
南下していくと沖縄風の建物が所々出現
 
千鳥公園前をさらに南下し(この辺りから大正通りを東に入っていくと沖縄そばの店や沖縄瓦の家がぼつぼつ出没します)、
警察署を通過して角のコンビニを東に進むと、住宅街の中に「関西沖縄文庫(かじまや)」があります。
ここは沖縄民芸品や食品の販売と、沖縄の情報やイベントの発信場所でもあり、沖縄関連の書籍が沢山置いてあり読ませてもらえます。
空手の本がないか見せていただいたときは、武士(ブサー)のエピソードが集められた本を1冊発見しました。
ここから南東へ行くとサンクス平尾(商店街)があります。シャッターにシーサーなどが描かた所もあり、沖縄色を醸し出しています。

 
サンクス平尾周辺。シャッターや建物の瓦が沖縄色を出してます

 初めて平尾方面を歩いたのは20世紀終盤。
当時、たまに京セラドームへは行くのですが、リトル沖縄を体感したくてガイドブック片手に1日中歩きました。
南恩加島地域をウロウロした後、沖縄料理店で民謡ショーを見ながら友人と夕食をとっていたのですが、
舞台で三線を引いていたおじさんと目が合うと舞台に上げられ、生演奏をバックに「島唄」を歌うことになりました(笑)。懐かしい思い出です。




沖縄料理店でショーを見ていたら、舞台で生演奏をバックに歌わせてもらいました

個人的に沖縄料理といえばゴーヤチャンプル、ソーキそばetc。飲み物ならオリオンビール、ウコン茶、
そして炭酸飲料のルートビア(薬っぽい甘さ!? 個人的にはイマイチ・・)が浮かびます。
またおやつとして、ミミガー(豚の耳)が珍味で結構好きです。

コロナ騒動が沈静化したら、関西にいながら沖縄を感じる大正区へブラブラ歩きも、なかなかいいのではないでしょうか。

 
 <次号予定>
・各会員レポート 
・入江師範の「武術雑感」(第21回)
・凛道実技紹介(第25回)「武密功・その1」」
(あくまで予定ですので変更の可能性あり


★次回の更新は2020年7月1日の予定です★

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