2020年3月号
3月2日更新
★道枢葆光庵 日曜午前の練功会&新年会
京都市北区の「道枢葆光庵」(物部道場)で、毎週日曜午前に行われる練功会。
2月の練功は普段の日曜練功日に、9日は入江師範の特別研究会・続編が、
23日は佐藤先生が指導に来られるのに伴い午前の練功後に新年会が、それぞれ開催されました。
2月9日。雪がチラつく中、昨年12月に行われた入江師範の特別研究会(続編)が行われました。
「空手の形や国内外の礼法や作法などは、形式通り行わなければならない。それは何故か?」
形式通り行った時と、わざと順番やほんの少し姿勢を変えた時とで、
体の安定感に違いがあることを実感する数例の研究実験から始まりました。
指で自分の名前を正しくなぞった時と、わざと書き順を違えた時では安定感が変わります。
現代風に長ズボンを履いている時と、裾をまくり昔風に短くした時で安定感の違いを実験。
あるいは形「円容臨(円臨)」「艮揚」などに出てくる技法「径手(けいしゅ)」の際も、
両手前腕を全く触れずに行った時と、両手前腕が擦れながら行った時の安定感との違いも実験しました。
「径手」の時も前腕を離して行う時と、擦れながら行うときは安定強度に変化があります。
2月23日、今年初めて佐藤師範が京都に指導へ来られたのに合わせ、練功後に新年会が行われました。
宴の後半は9日に行われた特別研究会の続き(!?)になりました。
★凛塾「合同練功会」企画案
凛塾各練功会の会員が年に一度、合宿とは別に場所・時間帯を考慮し、
もう少し参加しやすい顔合わせの機会を作ろう、というコンセプトで練功会を企画しています。
①各会員同士の交流を図る目的で、令和2年より年1回、合同練功会の形で行なう。 凛塾の現役会員はもちろん、凛塾OB、OGも希望者の参加歓迎です。 ②「集まりやすい」という点を特に考慮して、以下の要項で思案中。 ・時期→ 合宿(9月)と京都の会演武祭の時期を外した第2日曜日。 ・時間→ 遠方の方や忙しい方も参加しやすいよう、コンパクトに午後~夕方まで。 練功内容に応じ、2つないし3つの組に分かれ同時進行 ・場所→ 「1・常設、2・広いスペース、3・交通の便がいい」 3つの条件を *物部道場は常設です。 *3~4面の小グループ練功の同時進行可 *JR京都駅または阪急烏丸駅から地下鉄にて北大路駅下車、徒歩 車での参加の場合は、道場隣に有料パーキングあり。 ③合同練功会の後、親睦会を行なう予定。(自由参加、会費制) |
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京都の会 |
奈良の会 |
大阪の会 |
coming soon!
要項がまとまり次第掲載します。
★連載企画第十九回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」
新年度の葆光道枢庵では、戦後の摩文仁先師と廣川先生の稽古を模索することができました。
本覚克己流柔の覚書を基に、形や手順(足の位置や目付)をいろいろ試してみました。
戦後の演武会には摩文仁先生の他に、南蛮殺到流忍術の藤田西湖先生も参加されていて、鉄塊を投げ上げ、胸で受け止める荒業を披露され、皆度肝を抜かれたそうです。
また大山倍達先生も、摩文仁先生の超人的な実力を目の当たりにして、のちに牛殺しを試みるほど刺激を受けられたようです。
さてこの時代の達人たちの絶技はとても人間技とは思われず、
地球外生命ではないかといぶかるお弟子さんたちがいたこともむべなるかな、です。
廣川先生のお宅を訪ねると、地球外生命や、マヤ文明について熱心に説かれ、
ET、竹取物語、未知との遭遇などの映画も熱心に鑑賞なさっていました。
そして、易学、奇門遁甲の術、般若心経、滝行など霊性を高め、アラヤ識、原型を清める修行と共に、
破魔、護身の術などを千光寺合宿の際に学びました。
役行者が開いた千光寺の行場巡りは多くの方が懐かしい思い出として胸に納めておられます。
気功や中国拳法も、摩文仁先生の絶技を探るための道の一つとして取り入れられました。
凛道空手の形に観られる円の動きは太極拳や八卦掌の影響なしには考えられません。
廣川先生は女性拳士を非常に大事にされましたが、八卦掌の創始者とされる董海川は宦官であり、後宮の護院に入って大活躍したとされています。
空手の直線的な男性性とは異なる女性性、中性性が凛道空手の特徴の一つになっています。
その弧を描き、渦となり、相手の裏をとり、姿を消す動きのゆえに、八卦掌は気味悪く、難解であるというのが定説です。
ここからは全くの私見ですが、無極(太極)が人の認識に上って陰陽の区別が生じ(陰陽の道、これを易と謂う)、
二は四に分かれて四象となる。
これを私は数学の四象限とみています。+/+、+/-、-/-、-/+、あるいは上下左右とみてもよい。
これに前後を加えると、八象限になる。
伝統的な八卦の象である天澤火雷風水山地は+/+/+、+/-/+、-/-/+、・・・の八象限に自在に身を移すことなのかもしれない。
ずいぶん怪しいと思われるかもしれませんね、理論ではなく武術なので、これも道場で検証していくことにしましょう。
★塾生レポート (加藤・記)
vol.1 明快灑落
凛道の教えを受け3年半が経ちます。
武道を学びたいと思い、古武術をされている方の紹介で道枢葆光庵の門をたたきました。
毎週二時間の練功は物部先生または木下先生から教授いただきます。
最初一時間は日常功と柔軟を行います。この最初の一時間が重要で、自分の身体の固さをほぐしながら、日ごろの生活を見直す機会になります。
普段の仕事で、朝から晩までパソコンなんて当たり前で、身体を硬直させてダメにしているなと感じます。
物部先生の教えはそういった日常の事を省みることもあり、生活での身体の使い方を日々改めています。
後半の一時間は型の教えを受けます。主に肘当六当、貴妃功、羅天になります。
指導をうけながら、指先、手足ばかりに意識を取られると全体が崩れ、
全体ばかり気にしていると足腰がくにゃくにゃになったりしてなかなか上達せずにおります。
何故か頭ばっかりが先行してしまい、全く肚に落ちていないなと感じます。
頭で考えるよりもまず、身体に覚えこませるようにならないといけませんね。
頭を空っぽにすることは私にとって難易度の高い行です。
物部先生は足揉みの施術もされており、練功を通して活殺のツボについても教えて頂いております。
治療の時は人を活かし、殴る蹴るの時は人を殺す、東洋医学の良さと怖さをしりました。
自分の身体は健康でありたいので、健康になるためのツボを教えてもらい、毎日そのツボを押して自分の身体と会話しています。
コロナウィルスが騒ぎ立てられているからではありませんが、身体を整えてウィルスに侵されないようにしたいと思います。
●凛道実技紹介<第23回>
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「あおさんブラブラ歩(ある)記」4回目・先斗町・木屋町(小嶋・記)
・・・いろんな所をブラブラ歩いて散策した(ときに登山も)中から「ブラブラ・ゆるゆる」気の向くままにチョイスします。
他サイトの本格的なブログに比べ比較にならない薄っぺらい簡単レポートですので気楽にご覧下さい・・・
今回は地元・京都の近場、先斗町(ぽんとちょう)と木屋町です。
河原町通りを東に少し歩くと、高瀬川に沿って二条から七条まで続く木屋町通りに出ます。
その昔、高瀬川を使い大坂や伏見から材木や物資を運搬していたことから、木屋町と名付けられたとか。
木屋町通りを少し東へ歩くと、四条通りから北へ500mあまりの通りで祇園と双璧の花街・先斗町に入ります。
「五花街」の1つであり、先斗町といえば狭い通りに提灯、歌舞練場と鴨川をどり、舞妓さんを思い浮かべるのではないでしょうか。
南北の通りを並走する木屋町と先斗町は、高瀬川で仕事をした高瀬舟の船頭や旅人、
商人のための旅籠や料理屋、酒屋などで賑わい、現在も飲食店や料亭などが軒を連ねています。
木屋町を歩く人の個人的な印象は「京都在住の若者が多い」かなと思います。
バーや飲食店は先斗町に比べてややリーズナブル、夜中の1時・2時でも賑わっています。
また夜には交番所前でタクシーを待つ舞妓さん(本物)も時々見かけます。
先斗町の店は京造りの建物が多く見られ、格子戸と石畳が京の風情や趣を醸し出しており、最近は多くの外国人観光客が訪れています。
夏は鴨川を見ながら食事を楽しむ「鴨川納涼床」を楽しめる店もあり、
夜には先斗町公園前で本格派のストリートミュージシャンがギターを弾きながら歌っている場面に遭遇することもあります。
京都の老舗は一見さんには入りにくい店が多く敷居が高いといわれますが、
それだけいつも贔屓にしてご愛顧頂いている常連さんを大事にし、気持ちよく楽しんでもらうために、という気遣いともいえるように思います。
高瀬川には時々、鳥が戯れてます
夜の木屋町・先斗町はよく雑誌やネットで取り上げられますが、個人的には昼下がりに
まだ店を開ける前の閑散さと京風の建物の趣が楽しめ、夜の帳に備える静かなる鼓動も感じられ、路地裏を見れば夜とまた違った景色に出会えます。
もうじき桜のシーズンですが、木屋町通りの桜は昼も夜もホントにきれいです。
ぜひ足を運んでご覧になって下さい!
(4回目 完)
<京都の会 行事予定>
★次回の更新は2020年5月2日の予定です★