京都の会だより

2017年9月号
8月29日更新


★スロベニア空手一行が来日。合同練功を行いました。

 7月13日(木)から17日(月・祝)まで、凛道京都の会と交流のあるスロベニア空手道場から
テオ(本名 Teo Hrvoje Orsanic)氏をリーダーとする4名が来日。
今回リーダーのテオ氏は、文化活動方面でも活躍される方です。
通訳兼案内役として黒田初段が帯同し、北区の物部道場「健康塾」に宿泊して、練功と京都観光を堪能してもらいました。

 7月16(日)は午前から奈良の会の佐藤先生も来られて、夕方までみっちり形の練習、
夜は送別会と、親交を深めた熱い一日になりました。

  
送別会にて

   
では通訳兼案内役と大活躍だった黒田初段にレポートをお願いします。

※黒田・記

7/13から17の間に物部師範の健康塾にスロベニアからの来客4名が滞在しておりました。
この4名は13日の晩に京都へ到着し、彼等を出迎え歓迎会を開きました。
来客の滞在期間中は基本的に午前中から夕方までは観光、晩に健康塾で練習というのが一日の予定で、
15日(土)の晩は物部師範の下、凜道を学び練習を交えて交流をしました。
日曜日午前の練習に1名スロベニア人が加わり、
朝から物部師範と奈良からきていた佐藤師範に指導を受け型を覚えようとしていました。
この日の晩は親睦会を設け、次回来日する際には覚えた型をマスターしたいと希望を言っていました。
観光ルートは奈良と京都市内(東山、祇園、伏見稲荷、伏見城)を周り、
その案内をしながら来客のスロベニア人と接する機会がありました。
最終日は早朝に道場を出て空港に向かい、無事に帰国したらしいです。

  
 
 

      




★連載企画第四回「入江師範(凛塾京都の会顧問相談役)レポート」

 京都の会の重鎮であり、他派との積極的な交流など多方面で活躍されておられる入江師範の連載コラム。
内容はお任せです。


武術雑感  2017年8月 入江宏和


稽古が進んでいる、いや年齢が進んでいる(?)私は今年になってふらつくようになった。
足腰が弱ったのか、血圧が高いせいだろうか~~鍛えなおさなくては、と考えるところだろうが偏屈な私は違う。

およそ武術の練習には平衡(バランス、安定性)が重要視されているが、さらに失衡(アンバランス)の功夫というものがある。
先師廣川先生は易学にもとづきアンバランスは動く、と教えられていた。
バランスとは動けない固定ではなくいつでも次の状態に移行できることである。


人生経験豊富な皆様は幸福な絶頂の瞬間が冷凍保存できないことはよくご存じであろう。
確かなことは死に向かって堕ち続けることだけだ。
人生はピタゴラスイッチ、転がり落ち続ける、ならば変化を楽しむにしくはなし。
で、よろけている私を見たら、手を差し伸べたりせず、「角を曲がられたのだ」と受け止めて下され。


 次回(11月号)に続く



※インフォメーション※
入江師範が「秘伝」で紹介されました!



 当ホームページで毎回「武術雑感」レポートを担当していただいている入江師範(京都の会顧問相談役)が、
月刊の武術雑誌「秘伝」8月号(7月15日発売)で6ページにわたり紹介されました。

今回は凛道師範としてではなく中国拳法意拳の中級準教練として取り上げられたのですが、
入江師範の経歴が紹介される中で凛塾と凛道宗師・廣川師範や糸東流拳龍会時代が写真入りで掲載されました。

バックナンバーを取り扱っている書店へ行かれるか、もしくは一般の書店やインターネットで注文すれば購入が可能ですので、
興味のある方は是非ご覧になって下さい。





●凛道実技紹介<第9回>

<肘当(五連打)、探手、十字手>

 形では「横打ち・繰り受け・肘当」の後、体重を左足に移して反対方向に猫足立ちの肘当(1本目)。
右足を後ろに引いて手の上下が入れかわり、猫足立ちの肘当(2本目)。
重心を左に移して手が左右入れかわり、反対方向へ肘当(3本目)。
体重移動せず手の上下を入れかえ体の横方向(演武線上の正面方向)に肘当(4本目)。
そして右足に重心を移し手の上下を入れかえ、反対方向に肘当(5本目)をします。

 肘当を連続して行なう動作は、肘当した手が次の肘当のときに内側を通り引手に、
引手だった手が肘当に変わります(征遠鎮にも同じ動作があります)。

下記の連続写真は1回目~5回目を1枚ずつ掲載しています。

肘当     

分解は後から抱きつかれた時に、重心を一気に後ろへ落とし、猫足立ちから後ろ手で相手に肘当をします。
ポイントはスッと後方に足を引きながら重心を落とすことと、同時に両肘を横一線に出す(引く)ことです。
タイミングがずれないように同時に決めることで、羽交い絞めした相手が「スポっ」と抜けたかと思ったら肘当を食らった感じになります。

分解    


 形では肘当5本の後、両手が右、左の順で上から下に円を描き(実はこの動作は投げになっています)両手開掌の横受けをします。
左掌が右手の背面を通り指先の方へ上がっていき、左手掌が右手甲に重なったら、
両手を脇に引いて息を吐きながら両手が重なるように前に出していきます。
両手は左親指側の甲に右手刀を当てて前に出していきます。(下の写真、左から1~5枚目)

    

 息を吸いながら両手を右腰に引いて(下の左から1枚目の写真)、
右腰→臍前→左腰へと両掌を動かしていき(下の左から2枚目の写真)、
上になっている右掌を下へ下ろしていき、左手甲に右掌が重なってから両掌を下に押します(下の左から3番目の写真)。
両手を重ねたまま頭上に上げ、右足は小指側を擦って横に歩を進めます。
両手を上から下へ円を描き左足を出して左開掌横受け猫足立ちになります(下の右端の写真)。

    

 左開掌横受けから右手を立てて前に出し、左手を後に引き「弓を引く」ような「蓄」の状態にします。
右手甲を狙って「シュッ」と息を吐きながら右前腕をガイドラインに、右手甲を突破して左指先を走らせていきます。
弓を引いた「蓄」から一気に解放して指先を走らせる「発」になります(<探手>)。

探手    

 分解は相手の突いてきた拳腕の上に掌底を滑らせて、相手の喉や目を攻撃します。

  分解   


 形では<探手>で指先を走らせた後に脱力、
左手が体の方に戻った状態(両手首が折れた「オバケの手」)から左足を進め四股立ちになり、
息を吐きながら指先を伸ばしていきます。
この時は指先から「気」が出て自然に指が伸びるように、
指が伸びる時は両人差し指を一直線上に揃えて両手は三角形をつくるようにします(下の写真)。

   
両掌で三角をつくります  

 最後に右手は上から下に、左手は下から上に円を描き、
胸の前で右手を上に重ねた斜め十字手の形で左足を肩幅まで寄せ(<十字手>)、
静かに両手を下ろし収まります(<収勢>)。

十字手.~収勢     

・・・以上で円容臨(円臨)の紹介を終わります。

<次回から円容旺(円旺)の紹介です>




おまけ「ブル-ス・リ-を感じるんだ ~by香港」(小嶋・記)

 香港に行く機会があり、香港文化博物館で来年まで5年間開催されている「ブル-ス・リ-展」に行ってきました。
開催当初はグッズ販売やプログラム配布もされていたようですが、今は単に展示オンリ-でした。
展示されていたブル-ス・リ-のジ-ンズを見たとき、背丈が同じ位の我が身を省みて、脚が長くていいなぁ-と羨ましく思いました。


博物館前のブル-ス・リ-像

3階で開催されていました

 九龍塘にあるブル-ス・リ-一家が住んでいた家にも足を運びました。
40数年の時を経て今は所有者がいないらしく、門は鍵がかけられひっそりとしていました。
世界中の李小龍狂のため、香港政府が観光名所にして保存たらいいのになぁと思います。

 

 ぶらぶらと散策しながら太極拳を拝見したり、ジャッキ-・チェンが映画「ポリス・スト-リ-」で大暴れしたデパ-ト「永安廣場」や、
香港島の方へ渡って日本の通販で昔、カンフ-用品や雑誌を香港から直輸入していた仕入れ先の「功夫用品公司」にも久々に行きました。
かなりあちこちと歩いたので疲れましたが、マニアックに堪能できました。


公園で陳式太極拳を練習する人達

カンフ-や格闘技用品を扱う
「功夫用品公司」
 
映画「ポリス・スト-リ-」のクライマックス・シ-ンに使われた「永安廣場」






***  凛塾 行事予定  ***

*9月3日、4日 凛塾合宿(奈良・元山上口「千光寺」にて)
*9月9日(土) 奈良飛鳥公民館30周年記念行事に凛道奈良の会演武参加
 (詳しくは奈良の会・佐藤師範にお問い合わせ下さい)

  

<次回予告>

*9月、10月の行事報告
*入江師範の「武術雑感」(第6回)
*凛道実技紹介(第10回)円容旺(円旺)1回目

(あくまで予定です。変更の可能性あり)



※※凛道Tシャツ・引き続きプライスダウンで販売中。一枚2000円 → 1500円!
    練功着に普段着にと実はひっそり活躍しているオリジナルグッズ・凛道T。
  季節を問わず大活躍です。この機会にぜひ!
   お求めは小松原道場・健康塾にて。


   サイズ: S・M・L・XL
   色: 白・若竹・桃

  

★次回の更新は11月1日の予定です★

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